革製ペストマスクを作ってみた。
creative- 2017.11.3
- スチームパンクなペストマスクを作った記事を公開しました。
https://metrograph.jp
Plague Doctor Mask – ペストマスクとは
Plague Doctor Mask、ペスト医者、ペストマスク、ペスト仮面、鳥面……呼び方はいろいろ。
元々は黒死病(ペスト)が流行した中世ヨーロッパで、ペストを専門にみる「ペスト医者」が着用していたといわれるもの。
専門といっても治療法は確立しておらず、民間療法に近いものだったようだ。
ペスト医者はカラスのようなマスクにつばの広い帽子、全身を覆う黒いガウンに手袋をつけ、できるだけ外気に触れないような格好をしていた。
マスクのクチバシ状の部分には、藁や香りの強いハーブ類が詰められており、これらはフィルターとして機能し、瘴気(悪性の気)から医師を守るとされていた。
外気に触れない衣装に、香りの強いハーブを詰めたマスク。
ペストは空気感染の類と考えられていたようだが、この異形のマスクデザインは悪魔除けのような意味合いもあったのだろうか。
病床にこんな医者が来たら、それこそ悪魔だと思われそうだが。
製作記
材料
下に敷いてあるのがメインの革端切れ、525円。
右にあるグレーの丸いのは塩ビパイプの掃除口。一個170円ぐらい。マスクの目部分となる。
その他いろいろ買ったが、結局使わなかったものもある。
カタチをつくる
まずは紙粘土とボール紙で大まかな形を作ってイメージを固めていく。
革裁ち包丁などを使わなくても、カッターで十分切れる。
厚みがあって堅いようなら、くしゃくしゃと手で揉んでやればやわらかくなり、整形しやすい。
フリーハンドの千枚通しで穴をあけた結果、糸が通らない上に位置が悪く、革がずたずたになってしまった。
知識と計画性のなさがよく現れている。
革紐を通す穴はカッターでひたすら切った。
ペラペラの紙で型紙を作ったため、厚みのある革では多少なりズレが生じるため、現物合わせで削りながら進める。
紙やすりで表面を荒らし、サーフェイサーという下地材で下地を作る。
その上からスプレーで黒を塗り、タミヤのエナメル塗料XF-6 コッパー
をティッシュにつけてポンポン叩くと金属感が出てくる。
こういった金属風の塗装は、プラモデル関係の本やサイトをみると色々載っているので参照されたし。
塩ビパイプの裏には黒いタイツの切れ端を張り、外から目が見えないように。
中からは意外と見えるし、視界も広い。ついでに通気性も確保できてよかった。
おでこパーツとクチバシ側の固定がうまくいかず、ボンドでくっつけた結果、少々見栄えが悪くなってしまった。
革紐を使ってもよかったけれど、全体的なバランスが悪くなるので諦めた。
セリアで購入したバッグ用持ち手の金具を使用している。
完成
ペスト医者のローブもよいが、シャツに合わせると一気にスチームパンクなオーラが出る。
白手袋、白シャツ、黒チノパン、黒ベストに黒ネクタイ。まるでおくりびとである。
(ペスト医者の役割的にはあながち間違いではない)
持っているステッキはマジック用のアピアリングケーン。
手のひらに収まるほどに縮められ、ストッパーを外すと一瞬で伸びる。
カバンは普段画材入れとして使っている木製のもの。
ペスト番長である。
これはこれでさすらいのやぶ医者っぽくて良いかんじ。
まとめ
学祭でこの格好をして歩き回ったのだけど、子供は目が合った瞬間にギャン泣きする。もれなく全員。
悲しいけどこんな格好だものね、仕方ないね。
こうしたマスクは革さえ安く手に入れば、かなりお安く作れるのでおすすめである。
最初にイメージ画とか設計図とか起こせばもっと複雑なものもできるよ。