革製のスチームパンクなペストマスクを作った
creative前回のペストマスクからはや4年、ふたつめのペストマスクを作った。
この4年間で革細工や必要なパーツの集め方などを学び、パワーアップしたのである。
目次
ペストマスクとは
Plague Doctor Mask、ペスト医者、ペストマスク、ペスト仮面、鳥面……呼び方はいろいろ。
元々は黒死病(ペスト)が流行した中世ヨーロッパで、ペストを専門にみる「ペスト医者」が着用していたといわれるもの。
専門といっても治療法は確立しておらず、民間療法に近いものだったようだ。
ペスト医者はカラスのようなマスクにつばの広い帽子、全身を覆う黒いガウンに手袋をつけ、できるだけ外気に触れないような格好をしていた。
マスクのクチバシ状の部分には、藁や香りの強いハーブ類が詰められており、これらはフィルターとして機能し、瘴気(悪性の気)から医師を守るとされていた。外気に触れない衣装に、香りの強いハーブを詰めたマスク。
ペストは空気感染の類と考えられていたようだが、この異形のマスクデザインは悪魔除けのような意味合いもあったのだろうか。
病床にこんな医者が来たら、それこそ悪魔だと思われそうだが。
革製ペストマスクを作ってみた。 | metrograph.jp
前回記事からの引用である。
ペストマスクは、この特徴的なクチバシの中にハーブ類を詰め、瘴気をフィルタリングしていたのだとか。
最近はスチームパンキーな怪しげアイテムとして人気が出てきているようで、ハロウィンイベントではよく見かけるらしい。
完成したもの
わりと小奇麗に仕上がった。
マスクのレンズ部は複雑な歯車で作動し、倍率を変えられるとか変えられないとか。
顎下の真空管風パーツがフィルター的な役割を果たす。
縫い目がわりときっちり閉じているので、装着するととても息苦しい。
マスクなのに本末転倒である。通気口を作らねばなるまい。
1. 材料を集める
今回はスチームパンク度を高めるため、金属や歯車モチーフのなにかをつけたい。
いろいろ調べた結果、古いカメラのレンズ部と真空管でデコることにした。
ヤフオクで調べ回り、格安で手に入るスチームパンクっぽいものを揃えた。
眼
眼は、古い蛇腹カメラのレンズ部を使用する。
蛇腹カメラは、シャッターや絞り羽根が本体ではなくレンズに集約されており、随分とスチームパンキーなのである。
ヤフオクでジャンクを探し、1台500円〜1500円でいくつか手に入れた。
3台500円の8mmカメラなども買ってしまったので、部屋がカメラだらけになった。
革
革は浅草橋駅周辺の革用品店を巡って、全部で1000円ぐらいで揃えた。
やっぱり実物を見てイメージをふくらませるのは大切である。
浅草橋駅周辺には革用品店が多いので、ぶらぶら歩くのも楽しい。
レンズ部を作る
この蛇腹カメラのレンズがちょうど良い感じ。
レンズを分解したところ、めっちゃいい感じの歯車群が出てきたので、露出させたまま使うことにした。
塗装は、タミヤのエナメル塗料をベースとして、GSIクレオスのガンダムリアルタッチマーカー
でウェザリングを施した。
エナメル塗料のXF-6 コッパー
を綿棒で転がしながら乗せていき、乾いたら上からX-12 ゴールドリーフ
を綿棒で重ね塗り。
仕上げにガンダムリアルタッチマーカー
のブラウンやブルー、グリーンなどで色味の調整を行う。
右端のボトムズ的なむせ度の高いターレットレンズはぜひとも使いたかったのだけれど、バランスや機構的に難しく、今回は見送った。
また次回なにか作ろう。
エナメル XF-6 コッパー
エナメル X-12 ゴールドリーフ
GSIクレオス ガンダムリアルタッチマーカー
本体を革で作る
革を切る
革を切ったところ。
型紙の作り方は前回の記事をご参照あれ。
クチバシの上部は斜めに合わさるので、フチを斜めにカットしておくと多少キレイなシルエットになる。
革を縫う
縫い穴は菱目打ち
という道具を使用して空けていく。
菱目打ちの使い方はこの記事で解説しているけど、ググって専門ページを見たほうがくわしい。
クチバシの上部はクロスステッチ風のかがり縫い、おでこ周りはI型(なんて言うんだろうか)に縫った。
顎下は通常の平縫いなのだけど、クチバシの途中で顎下の革の裏表を入れ替えている。
これにより、根本側は凸型で、クチバシの先へ行くほど凹む形となる(すげぇ説明しづらい)。
くっついている真空管っぽいパーツはこの後解説する。
レンズをつける
レンズは、もともとついていたリング状のネジを裏からつけている。
使用するレンズによってサイズや付属パーツが違うので、現物合わせで進めていく必要がある。
フィルタ部を作る
顎下につけるフィルタ部は、真空管と歯車状のパーツで構成。
真空管はヤフオクで10本入り1000円ぐらい。
歯車状のパーツもレンズ部と同じくXF-6 コッパー
等で金属風に塗装した(2個前の画像に塗装後が写っている)。
ベルトを作る
ベルト部の途中経過を撮影し忘れちったため、画像は完成形の裏側である。
両耳の下と頭頂部の3点にカシメで固定している。
サイズ調整はベルトバックルで、脱着は横ベルトのトリガースナップフックで行う設計。
頭頂部から伸びる縦ベルトは先が輪っか状になっていて、横ベルトに通して上下のズレを抑える役目を果たしている。
完成
できた!!!!!!!!!!!
もともとはハロウィンに向けて作っていたのだけど、結局ハロウィンは引きこもっていたのでお蔵入りに。
今後なにかのイベントでつけたい。